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ヘンな教会

近所の犬に、変な性質を持っているのがいて、やたらに近くの家の靴を片方だけくわえて逃げるので困っています。飼い主の指導でないことは、きまって片方だけだというのを見ても分かります。(これは故清水牧師の文だが、こういうユーモアは大好きだ。)

犬というのは陽性で叱れば、消え入らんばかりに申し訳ないようなしょげ方をし、何もかも自分が悪かったと反省している趣があります。

猫となるとそうはいかず、テーブルの上のものをさっと盗って、どこかで食べてくると、また何くわぬ顔をして、自分がやったのではありませんとばかり、人のひざに上ってくるのですから、何となく陰性です。どちらも好き好きですからとやかく言いません。

にわとりとなると、また違います。きょときょとして、いつも右や左を眺めまわし、餌をつつきながらところかまわずぽとりと落とし、放し飼いにしておくと実に愉快なものです。雄鶏などは三、四十羽の雌を担当し、うっかりしていると、四、五メートルも空を飛んで人間に突っかかります。

ふと人間のタイプを考えて、犬型、猫型、にわとり型があるように思ったのです。みんな違っているから面白く、もしお互いに違いを認め合いながら生活できたら、どんなにいいだろうかと思います。

いろいろな教会のどの一つを見てもさまざまなタイプがありますが、どれだけ、変わり種を抱えて自由な雰囲気を持っているかで、その教会の成熟度が分かるように思います。何から何まで、言葉つきまで同質の人たちの集まる教会というのは、どう見ても変です。犬と猫とにわとり(猿も豚も牛も)が同居できるような教会を夢見ています。

考えてみるに、イエス様がお生まれになった馬小屋には種々の動物がいた。主はその真中に居られた。イエス様中心の多様性における統一。祝ご聖誕。

一九九五年十二月十七日

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