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牧師の料理

「わがたましいよ。主をほめよ。主のよくしてくださったことを何ひとつ忘れるな」(詩篇百六篇二節・新改訳)。

今年は忘れろといっても、忘れることのできないほどの恵みを受けた人が多くおられる。しかし、そうでなくても、「祈りに導かれるものはすべてよし」の論から言えば、ロマ書八章二十八節を信じてすべて感謝。大声で「ハレルヤ、主よ、感謝します。」と十二回位言いましょう。

以前、NHKの教育テレビで「バベットの晩餐会」というデンマーク映画が放映された。

物語は今から百年くらい前、ユトランド半島の漁村にある、教会の牧師館が舞台だ。

牧師だった亡き父の遺去を継いで、二人の姉妹が独身を通して伝道に励んでいる。

そこにパリ・コンミューンの騒乱で家族を失ったバベットという女性が、パリから亡命してきて家政婦として働くようになる。それから十数年が経過して、知人に買ってもらっていたフランスの宝クジが、一万フラン当たったという報を受ける。

バベットは、そのお金で老牧師生誕百年を祝う晩餐会のために、パリに行って材料を取り寄せ、教会の信者たちに、今まで食べたことのない豪華なフランス料理を披露するのである。

ところが、たまたまパリから里帰りしてきた将軍が招かれて出席、その出された料理の味が、パリで最高のレストラン「カフェ・アングレ」のメニューと、全くそっくりなのでビックリ仰天する。

十二名の出席者は、後になってバベットこそ、そのパリの「カフェ・アングレ」の有名な女料理長だったことを知る、というストーリー。 

彼女はそのすべてをもって教会員にご馳走を振る舞った。牧師の毎週の説教という料理はいかがであったろう。反省することしきり。

主のよくしてくださったことを忘れる恩知らず信徒になってはいけない。心からなる感謝と賛美とをささげて、新しい年を迎えましょう。

一九九五年十二月三十一日

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